最近観たアニメ

特に最新アニメに限ったものではないが、最近dアニでふと目についたり人に勧められたりして視聴する機会があったものをメモしておく(一部ネタバレあり)

 

 

 

 

◆シャングリラ・フロンティア(視聴継続中)

コンビニでよく漫画を見かけるが内容は全く知らなかったやつ。原作が人気のようで、アニメも1話からずっと作画が安定しており制作陣の財力を感じられ、安心して観られる。

クソゲーをプレイし続けてもそのクソゲーだけ異様に上手くなるだけで、別のゲームで有利に立ち回れるようになるということは全然ないのでは?と思うので主人公の設定自体腑に落ちない感じはあったが、シンプルにアニメの出来がいいので大抵忘れてどうでもよくなっている。欠点らしい欠点といえば、ED後のミニアニメが寒すぎて毎回風邪をひくことくらいか。

 

ハイスクール・フリート(本編+OVA+劇場版)

ハイスクール・フリートのパチンコを兄貴と並び打ちするためだけに全話観た(動機不純)

ガルパンと違ってキャラの命が設定に守られておらず、敵の攻撃で普通に怪我するし吹っ飛んで海に落ちるし潜水艦を実弾で沈めたりもするが、不思議と誰も死なない。物語の中で幾多のピンチに晒されるが、それならば学級モノ要素を減らしてガッツリとシリアス方向に舵を切ったほうが最終的な主人公の成長にも説得力が生まれるし、ずっと面白かっただろうと少し残念に思った。

同時にキャラに不死性を付与したうえで好き放題動かせるようになる特殊カーボンというチート設定をフル活用してトンデモアクションに仕上げたガルパン劇場版の凄さを再確認した。作品の強みを活かして振り切るのは大事。

 

クオリディア・コード(完走)

作画が!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

2話で一度完全に心が折れたが、4話の引きで持ち直して少しずつ面白くなり始め、一応完走した。シナリオには光るものがあった(とはいえ、特段褒めちぎるようなものでもない)が、最初から最後まで一貫した作画の酷さでB級アニメの枠から出られなかった。主人公は3人いるが、一番酷いキャラの東京の人を開幕メインに持ってきたのも印象最悪だった。どうしてこうなった。

 

宇宙よりも遠い場所(完走)

南極というどこか遠い存在を介した女子高生たちの青春のお話。メインキャラ4人が南極を目指そうとする根底には年頃の高校生らしい心の葛藤がそれぞれあるのだが、それらの描写が生々しく胸がキュッとなる。あの花とかもそうなんだけど、思春期の機微を絶妙に表現する作品にとても弱い。泣いた。素敵なアニメだった。

 

◆即死チート(保留)

腹立つ主人公と激寒ノリのヒロインのコンビがあまりにも厳しくて1話切りしそうになったがそれっぽい伏線はそこそこ詰めてあり、転生モノでは終盤怒涛の伏線回収をして個人的名作となった慎重勇者の例があるので念のため見捨てずに放送終了後まとめて観ることにした。

 

◆黒の召喚士(リタイア)

アニメを観ていたはずなのに戦闘シーンでいきなりPS3のゲームになってビックリしてそのまま再生終了した。

 

◆転生したら剣でした(完走)

ヒロインがいたく俺好みでぇ〜……(クネクネ……)

あまり期待してなかったが総合的に出来が良かった。続きも気になるので2期で質が落ちないことを祈る。

 

最終兵器彼女(リタイア)

原作は20年前くらいに読んだ(内容は全く覚えてない)、アニメも20年前の作品。開幕からシュウちゃんの声優がヤバすぎて泡噴いて気絶した。今からでも俺がアフレコして差し替えたほうが10倍マシだと思う。

 

戦闘妖精雪風(保留)

硬派すぎて脳スポンジのまま観れる異世界転生モノの合間に挟んだのは失敗だった。ドッグファイトをアニメで観れるだけで貴重なのでそのうちリベンジする。

 

ゴブリンスレイヤー(+OVA 完走)

パチスロゴブリンスレイヤーで屈辱的な57000円負けを喫したので腹いせに観た(動機不純2)

主人公のゴブリンスレイヤーを含む仲間達の戦闘力には他ファンタジー作品と比べてかなりの制限があり(術を3回くらいしか使えない等)、はっきり言って弱い。ゴブリンメタの知識を総動員して泥臭く策を練り、入念に準備をしたうえで淡々と殺す。チート能力にも飽きてきたので、こういうのは逆に斬新で面白い。1話はボッキ・ポイントが多い(は?)

中盤作画が崩れてしまうが、女神官とセックスしたあとしっかり巻き返したので問題ない。

 

◆Vivy -Fluorite Eye's Song-(完走)

dアニ漁ってて何となく目についたので一切期待せずに観始めたらとんでもなかった。作画、音楽、脚本、演出、演技…アニメを構成する全ての要素において完璧で非の打ち所がない。ワンクール完結で仕上げられる出来としては理論値に近いと思う。無名作品なのが信じられない。

SFとしては使い古されたテーマの集合体で、ひとつでも不十分な要素があれば凡作に留まったかもしれない。素材に完璧な調理をしてくれた制作陣と、このアニメと偶然出会えたことに感謝したい。終盤は賛否両論あるようだが、個人的には納得のいく畳み方だった。歴代ダントツ1位です。何度も観返したい。

 

◆16bitセンセーション(完走)

ゆるい懐古お仕事アニメのつもりで観ていたらタイムリープバタフライエフェクトが主軸のサイケデリックなSFに切り替わってズッコケた。作画は微妙。やりたいことに対して尺が足りなかったのか伏線も回収しきれず打ち切りエンド感が…B級アニメかなあ。

あとこれは大事なことだが、

 

男性用エロ・ゲームが大好きな19歳美少女がこの世にいるわけねえだろ(もしいたらエッチしたいです。)

 

-完-

 

 

 

ミクの日

だったそうなので特に思い入れのあるミク曲を載せるだけの記事です(中学生)

聴いてた時期的に全部2007〜2008あたりの初期の作品。

 

 

・虹と花滴 / yakohne

 

高1のときにニコニコ動画が始まって観始めたくらいのタイミングで目に留まり、ボーカロイドというものを初めて知ることになった。明らかに人間の声ではないのに歌が完成していることに素直に驚き、ここからボーカロイド曲を漁るようになった。

メロディも曲名も思い出せず存在だけを覚えてたけど、今さっき当時使ってたiPodを引っ張り出して無理矢理思い出した。11/8拍子のフレーズが良い。

おそらく知名度はゼロに等しいので、ミクの日でこの曲を取り上げる人はおそらく俺だけだろう。

 

 

・EX-GIRL / くちばしP

 

たまに観てた酷道走破系の投稿者が動画BGMによく使ってたのでそのうち気に入った曲。

ひねくれた歌詞センス×キュートな音使いの電子ポップというくちばしPの作風はここから好きになったし、あとで自分で作ることになるかわいい系の作風も遡ると原点はここだと思う。

くちばしPは行方不明になってしまった。いつか新曲を待ってます。

 

 

・Dependence Intension / Treow

 

これをニコ動のランキングから見つけて初めて聴いたときの雷に打たれたような衝撃は忘れられない。ボーカロイドのための電子音楽という側面から評価してこれを超えるものは15年近く経った今でも出会ったことがないし、おそらく今後も現れない。圧倒的に1位。姉妹曲のChaining Intentionも大好き。

 

 

・boku-boku / AVTechNO!

 

独白のような文章をひたすら16分の早口で歌わせる曲。メロディに詞を充てがうのではなく、詞にメロディを追従させているので独特の譜割りが形成されており耳が心地良い。ボーカロイドの活用としてはDependence〜に並んでトップクラスに気に入っている。

作曲のAVTechNO!氏は当時ほぼ毎日新曲を投稿していて創作のバイタリティが凄まじい人だった。全曲前衛的なデジタル系でかなりツボってた。

 

 

・サボテンと蜃気楼 / ノッツ(若干P名義)

 

楽曲構成が天才的。大方ボーカロイドとアコースティックの組み合わせは絶望的にマッチせずセンスないと感じることが多いが、この人は作り方が上手すぎるのでむしろ良い方向に昇華されてる。

明確に人の死を取り扱う創作物は陳腐で好かないのだが、秀逸なメロディと怒涛の展開、突き刺すような歌詞、手描きMVのクロスオーバーにより生み出された未曾有の破壊力の前に、高校生の俺は逆張りすることも叶わずパソコンの前でゲロ泣きしたのである。

なおノッツ氏はいつの間にか漫画家になり音楽活動はかなり減ったが、漫画作品でも心を抉るような作風を得意としている。絵も好き。

スキルレスマトリョーシカ則

職場で使わされているパソコンがひどい。

バックグラウンドでクソ重いセキュリティソフトだの、全社監視システムだのをRAM4GBで動かしているせいかとにかく処理が遅く、ブラウジングしながらOfficeで作業などのごく基本的なサラリーマンムーブすら極端に制限され、酷いときには新しいフォルダを作成するのに1分かかったりする、究極ストレスマシーンである。

今日もExcelでセルを選択することもシームレスにできないことに腹を立て、足元のパソコンをカカトで軽くゴンと蹴った。課長の席からもよく

「あ゛あ゛〜遅いナァ。」

とボヤいてる声が聞こえてくるので社員一律環境は同じようで、皆がこの無能パソコンのリストラを願っている。

 

一方俺はというと、多方向から一斉になだれ込んでくる細々としたタスクの雨霰に打たれ、全く脳の処理が追いつかずオーバーヒートし、そのままフリーズしていた。

 

今カカトで攻撃したパソコン。俺という個が無能と一蹴し、仕事にならないから新品に替えてくれと常に願っているパソコン。だが、これを一段階縮尺を替えて世界を俯瞰したとき、会社という組織から見て俺という個はこのパソコンと相似であり、カカト落としをしてでも新しい人員と取り替えたいと願われているに他ならない。

 

 

 

以上が前回講義で触れた「スキルレスマトリョーシカ則」の実例です。本講義は全学開放の共通プログラムでありますが、無能学専攻の1年生諸君は特に参考にされたし。本日の講義は此処迄。

 

ディスオーダーズ・コンビニエンス

家の周りにマジで何もない虚無地帯に住んでいるが、歩いて3分くらいのとこに辛うじてローソンだけはある。19時頃から弁当類に値引きシールを貼るという特異な店舗で仕事上がりの夕飯にはあまり困らない反面、所属している店員もまた特異である。もちろん、悪い意味で。

 

平日の19時過ぎには頭モジャモジャの小さいデブが高確率でいるのだが、コイツがもう本当に常軌を逸していて、弁当温めるか絶対聞いてこないとか、弁当に箸を能動的につけられたこと一度もないとか(毎回俺から箸入れろって怒鳴りつける)、レシートは絶対投げて渡してくるとか、タバコを2箱以上頼むと絶対1箱しか持ってこないとか、人を不快にさせる悪行は枚挙に暇がないので、まあ多分知恵遅れなんだと思う。

 

以前601円くらいの会計のときに先に千円札を出してから1円を出そうと思ったら1円を出す前に瞬速で会計を確定させて399円の小銭を渡してこようとしてきたので

 

「1円出すから400円返して。」

 

つったら

 

「601円と399円です。どうぞ(クッソ嫌そうな顔)」

 

とかいって更に大量の小銭を俺にプレゼントしてくれようとしやがったので、物凄い剣幕でブチギレて無理矢理100円玉4枚をぶんどってきたことがある。

今まで遭遇したコンビニ店員の中でもブッチギリの最糞で、こんなのと毎日のように会ってイライラするのは弁当半額のメリットを消し去って余りあるデメリットである。

 

 

しかしここ1ヶ月ほど姿を見てなかったのでやっとクビになったか〜!!と安堵していたが、今日行ったらそんなことはなく当たり前のようにレジに鎮座していて絶望した。

当然弁当を温めるか聞いてこないし箸入れないしタバコの個数間違えるしレシートぶん投げるから、敢えて聞こえる声で

 

「お前マジでクソだな。」

 

と発声して家に帰ったのだが、どうも払った金額が安すぎる気がした。で、確認したらタバコ2箱買ったのに1箱分しか計上していないことが分かった。

最初はあのクソ店員ざまあwwwwwwwという気持ちでいたが、会計ちょろまかして喜んでいるのは窃盗犯と同じカスの思考レベルだと思ったので、すぐローソンに戻って不足分を自己申告することにした。

 

戻るともう糞は家に帰っており(一生出勤すんな)、別の女の店員に事情を説明することになった。

 

 

 

「さっき男の店員がタバコ1箱分計上しなかったんで払いに来たんですが」

 

「ウツ、アツ、ダア、デエ、デエ、デエ、アツ、オ、ア、ア、ア、」

 

「うわ…あの、パーラメント1箱分が会計ミスで未払いだったので戻ってきたんですが、支払い処理してもらえますか?」

 

「イ、イ、アアデエエ、オ、オ、オ、デエ、デエ、

(ピクピクピクピクッッッ!!!!!)」

 

「あの…店長さんいますか?」

 

「(ピクピクピクピクッッッ!!!!!ピクピクピクピクッッッッッッ!!!!!!!!)」

 

「ああああああ!!!!!!て、店長さ〜〜〜ん!!!!!!!!」

 

 

 

ヨボヨボのジジイの店長に未払い金を払うと、何故かタバコを渡そうとしてきた。

「いやさっきの未払い分なのでいらないです…」と断って店を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もうこのローソンさ、大根畑にしよう。

アンノウン・フロム・ジ・アビス

退院後ほぼ1ヶ月が経ち、左目が見えにくくなったことと維持治療薬を飲み続けていること以外は日常を取り戻していた。どっかしらの筋肉がたまにピクピクする瞬間が一日に何度かあるのは気になるが、他になんとか症の影響と疑われる症状が出ることはなかった。

2ヶ月弱の入院期間を経て、強めのパーマをかけていた髪は伸び放題に伸びてマングローブのように膨れ上がっていた。職場で作業帽を被ると耳の上からはみ出た髪がカールして橋田至になるのがとても嫌だったので、4ヶ月ぶりに行きつけの美容室の予約を取り付けていた。

大学生の頃からずっと同じ美容師に散髪を任せており、もう10年とかになる。今更気を遣う必要がないので、就職して他県に移ってからもわざわざ高速運賃を払ってでも定期的に通っている。

 

 

 

☆★☆

 

 

 

予約当日は生憎の大雨だった。3月に入って晴れが続いていたのに、出勤以外で久々に外出する日に限ってこの仕打ちである。唐突な難病宣告スタートを切った2021年が人生最悪の試練の年であることを強制的に実感させられる。

 

シャワーを浴びて昼過ぎに家を出た。昼食は高速を降りてから適当な店で済ませるつもりでいたが、この気分のときは大抵何故か道沿いに都合良く現れるかつやに漂着する。この現象には名前をつけるべきだと思う。

今回もバイパス沿いに現れた謎のかつやに吸い込まれ、赤辛カツ丼を貪るといよいよ一服したい気分になる。服薬に絶対良くないと理解していながらもタバコを絶っているわけではない。

 

かつやの隣の店の軒先に灰皿が設置してあることを確認すると、半自動的に動く手先が素早くタバコを咥えさせる。

 

 

……

 

 

こういった何気ない時間には、いいメロディが頭に浮かぶことが多い。タバコに火を点けると、脳内のモニタースピーカーが完璧なミックスの創作アニメ・ソングを爆音で再生し始める。

 

ルン♪ ルン♪

 

 

 

 

………………… ………………

 

 

 

 

パーラメントの崇高な煙が肺胞に侵入すると、音像は更にクリアさを増す。ギターが力強く唸る。ドラムが活き活きと弾ける。

 

 

 

「まりっ。」

 

 

 

ピアノが艶やかに響く。ボーカルが観客を魅了する。

 

まりっ。が……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まりっ。て何だ?」

 

 

 

 

音楽は鳴り響く限り人を魅せる。

当たり前に見える「存在」さえも、当たり前に視せぬ程に。

 

尻が、灼ける。

湿り気が臀部の皮膚にどんどん拡がっていく。

 

 

 

「あ、あ……、あ………………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺はこの日、生まれて初めて糞を漏らしてしまった。

 

漏れた量的には大したことはない。だがよりにもよって俺がこれからオシャレな美容室に向かうところであること、さらに何とか症がもたらす重い症状のひとつに排泄障害があることを即座に思い出してしまう。

ミクロの不安とマクロの不安が混ざり合って放たれたメドローアは俺の精神を容易く灰燼に帰し、正気を失わせるには十分すぎる「災厄に準ずる威力」と評してもよい。

 

糞が漏れたのに、引き続きタバコを吸っている自分がいる。糞が漏れたことを現実として全く受け入れることができないのだ。

1分半くらい呆然と立ち尽くしてからかつやの店内に戻り、レジ横の便所に駆け込んでジーンズとトランクスを一目散にずり降ろすと、紛れもなく糞そのものがタマネギ片と一緒にパンツにこびりつき、ジーンズの生地まで汁が染みている。

 

学生の頃から愛用しているプレイボーイの柄入りトランクスは最早救うこと能わず、こびり付いた主要な糞片を備え付けのトイレットペーパーで拭き取ってから、便器横のサニタリーボックスに葬送する。

ケツも十二分に拭き上げてから、ノーパンのまま糞の染みたジーンズを履き、忍者の如き足捌きで2度目の退店を遂行するのであった。

 

美容室の予約時間まであと35分しかない。何事もなければ余裕で店に着ける時間だが、糞の染みたジーンズを履いてノーパンのままオシャレな美容室になど入れる筈がない。

糞汁が染みないように大量のティッシュを運転席の座面に敷いてから直ぐ、替えのパンツとトランクスを買うためのアパレルショップを探し始めたのだが全く見つからない。渋滞を越えて目的の美容室を通り過ぎた先にあるゴルフ用品店に何とか滑り込むも、スポーツウェアなのでどれも裾上げが前提の作りをしており喫緊のリザーバーは務まらない。

美容室に電話して遅刻することを伝え、店横のローソンでボクサーパンツだけを買って履き直し、ジーンズは「染みた」ことを隠してオシャレな美容室に入ることになった。

 

 

 

☆★☆

 

 

 

「あ、あの、今日は、あまりパーマを、その、あの、ゆるめに、その、」

 

 

話慣れているはずの美容師なのに、呂律の回った声での意思伝達が全くできなかった。美容師も困惑して怪訝な反応をしている。そもそも遅刻した理由として

 

 

「うんこ漏れたから」

 

 

なんて口が裂けても言えるわけがない。

 

脂汗をかきながら、自分が難病を患って2ヶ月入院してたことを伝えつつお茶を濁した。本来客が美容師に対してしてもいい重さの話ではないのだが、すぐに理解を示してくれた。こういった忌憚のないやり取りが自然に実現するというのが、頑なに美容室を変えられない理由のひとつでもある。

 

美容室にいる間、また自分の意思に反して糞を漏らしてしまうのではないか?と気が気ではなかった。

そして糞を漏らした着の身着のまま、それをひた隠しにしていつも通りのサービスを受け続けている己のクソさを恥じていた。まあ糞なんだけど。

口が勝手に余計なことを口走り始めた。

 

 

 

 

「俺の病気なんですけど、人によっては『排泄障害』とか出ることあるらしくて…」

 

「うわぁ〜、それはやばいね。。。」

 

 

 

 

や、やっぱやばいのよな。。。。

 

 

 

 

「まあポジティブに捉えて、前向きに生きていこうよ。」

「お、おれはそんなに悲観してないっすけどね笑笑笑笑笑笑」

「そっか〜。じゃあ、またね〜。」

 

 

結局最後まで遅刻の理由を問われることはなく、美容師がコミュニケーションのプロであることを改めて思い知る結果となった。

美容師の言うとおり、前向きにポジティブに捉えて生きていくことは大事だ。それがたとえ、糞を漏らしたということだとしてもね(は?)

トレンディトランス

趣味柄DTMを嗜む人間と知り合うことが音ゲーマーの次に多く、そういった人達の発言を長期にわたり見聞きしてきた。

そうして分かったのは、音楽家というのはどうもルール(楽典、禁則)や流行に異常なまでに厳しいらしく、それらを守りながら制作することが全てに勝る正義であり、そうでない音楽が商流に乗った瞬間にヘイトスピーチを始める人が何故かやたら多いということだった。

 

音ゲーマーも新曲が出たときのコメントは比較的厳しく糞だ糞だと声が上がることも多いが、期待外れ感や譜面のつまらなさが度を越していたりするときの総合的な印象としてマイナスであり、満足できなかったために叩いているケースが圧倒的に多い印象がある。

 

ここに「自らも楽曲制作を行う」ステータスが追加されるととりあえずコード進行、メロディライン等の音楽要素から減点を始めていくのだが、彼らの中にはトレンディじゃないとゼッテェ許せねえ系の人もかなりの割合で存在して、

 

「ちょwwwwwwwww2019年にもなってこの音使いは古すぎてあり得んでゴンスwwwwwwwwwwwwwWWwW」

 

みたいなことを言い始めて集団でケチョンケチョンに貶しているシーンには飽きるくらい遭遇した。

いや流行とかどうでもよくね?って思うがMAINSTREAM HARDCOREってもしかしてその辺の皮肉だったりすんのかな。

 

それはさておき、他の表現媒体でこれほどまでに規則を正義とする風潮のある界隈は今のところ音楽しか見たことがない。

例えばイラストの場合楽典に相当するルールというのはデッサンということになるのだろうが、多少崩していても見た目の雰囲気が良ければ商業であっても同業者から強烈にバッシングを受けているシーンはあまり見かけない。

もちろん画力が高すぎて美麗極まりない絵には素直にスゲェ…と圧倒されてしまうのだが、デッサンは微妙でもデフォルメを上手に入れていたり構図が新しかったり色使いが個性的だったりと、個人個人でルールに縛られない自由な表現をしても一定の評価は受けられる。

 

だが音楽にはそういったチャンスは皆無であるか、あってもかなり限定的っぽい。独創性が高いと思われる聴いたことないタイプの作品でも、禁則があればカス、メロディが外れればカス、音が古ければカスである。

まあ外れた要素があまりにも多すぎると素人感覚でも何か変じゃね?てなってしまうのは確かにそうなんだけど、DTM・ミュージシャンはカス閾値が低いというか、とにかくちょっとした欠点に過剰に厳しすぎると思う。こんなものを市場に流すなと怒りだす過激派も現れる始末で、見てるとカロリーが高すぎて正直しんどい。

 

ごく限られた一部の独創性はジャンルとして確立し流行することもあるようだが、それらの命はセミの如く儚く1年もすれば

 

「ちょwwwwwwwwwwwwwFUTUREBASSとか時代遅れ杉食傷麻呂wwwwwwwwwww」

 

とトレンディ系の方々のサンドバッグと化してしまうようである。

これまで100や200じゃきかないくらいのアマチュアの音楽家のツイートを長年見てきたが、過半数の人間はそういった傾向の発言を定期的に(もしくは常に)していたので、ナチュラルにそういう空気なんだろうと思う。

気づいたんだが、MAINSTREAM HARDCOREって自称する限り永遠に流行の最先端だし最強の音楽ジャンルなんじゃね?

 

自分も音楽制作をして作品を公開してきたが、界隈の器の狭さにとうとう嫌気が差してしまったので意図的に離れることにした。特に自分の作品を悪く言われたことがあるわけではないが、褒める場面よりも作品の粗を突いて貶す場面に圧倒的に多く遭遇する環境は、単純に居心地が悪いと感じる。

 

結論としては、音は古いと腐って虫が湧くのでこれからDTM始めようとしている奇特な人はKOMPLETE買う前にシベリアに土地と蔵を買うことを強く推奨する。

Trust your own wrist.

今日もビートの話です。

 

音ゲーブログにするつもりは皆無なのだが、最近は深刻な現金不足に悩まされておりPに通うことは不可能なため、実体のない金を使って延々と遊ぶことのできる音ゲーばかりやっており、話題がそちらに偏るのも仕方のない話なのである。

 

 

さて、CANNONBALLERS(以下CB)が稼働してからのIIDXモチベは極めて高い。過去最もプレー回数が多く皆伝を初取得したバージョンでもあるtricoroに匹敵、もしくはそれ以上のビート・フィーリングが、俺を四六時中包んでいるのである。

 

というのも、CBに入ってからほぼ不動だった未難が崩れ始めたのだ。

Plan 8最後落ちから5年越しのハードクリアに始まり、前作SINOBUZで苦しめられたECHIDNAも無事ハード、以降はGo Ahead、卑弥呼と地力S以上の難曲を次々と倒してきた。難易度上昇の著しい近作の中で、レジェンダリアフォルダも含めて未難5まで到達していた。

しかもクリアランプだけでなく、スコア力の向上も実感している。これまでがいくらなんでも低すぎただけなのだが、☆11の中速乱打譜面(quasarやSHADEなど)でも初めてAAAを記録するなど、早入り脳筋スコア六段バカとしての人生から脱却して少しづつ健常者に近づきつつある。

 

近所のゲームセンターにギタドラがないせいでもあるのだが、今とにかくビートが楽しい。近寄る気すら起きなかったPENDUALの頃からすればありえない感情だ。

 

そしてついにIIDXのカリスマ、俺がビートを始める前からハード最強曲として10年以上も君臨し続けてきた、かの有名な冥(Another)、通称「穴冥」にもハードで挑めるほどのステージへ到達したのだった。

Pフリーで粘着を続け、メイン2とサブ3の判別はできたものの、それが分かれるだけでは手も足も出なかった。32分の4個目まで到達したあの1回はマグレだったのか。悔しい。ここからが遠いのだろうが…

 

 

そんな悶々とした日々を送る中、日本有数の穴冥ソムリエであるお皿さんが自らの穴冥に関する知識を伝授する神すぎるブログ記事を掲載した。

俺はこれを更新日の翌日に一日中、穴冥の譜面と睨めっこしながら目に穴が空くほど読み、開幕4小節でほとんどのあたり譜面を判別できるようになってからは今度こそ穴冥を屠るため、これまでよりも足繁くゲームセンターに通っているところだった。

 

今日もその流れで、滅多にしない開店凸を決行してまで、穴冥との死闘を繰り広げようとしていた。

 

 

Pフリー60分で穴冥を殴り続けたが、32分に2回到達しただけで突破は叶わなかった。浮気してMare Nectarisも殴り続けたが、こちらは正直穴冥以上の無理オーラが出ている。

 

どうしたものか。

 

ふと、灼熱pt.2が目に入った。

 

灼熱pt.2といえば、前回記事の未難序列でも書いてあるように、俺が黒イカと同等、いやそれ以上のハード最強曲として認識していた““““超絶《真》絶望譜面””””だった。イージーで挑めば毎回BP170は出るし、こいつのせいで一生全白になれなくても仕方ないとさえ思っていたから、触れすらしていなかった曰く付き。

たまたま皿の軽い右台を選んでいたから、まあ少しずつでも練習してハードできる可能性を0%から0.1%にでも高めておこうという、それはもうとてつもなく後ろ向きな気持ちで選曲してみた。

 

するとなんということだろうか、、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全く手も足も出なかった。

ヤカンの音がするBSS地帯で、手が動かなくなり即死するのを3回ほど続け、無駄無駄と残りの時間は穴冥とMareに挑む時間に戻したのだった。

だいたいBSS地帯をたまたま抜けられたところで一桁%しか残ってないし、あの譜面でダントツ一番むずいのはラスト。やりすぎにも程がある譜面だ。どうしようもない。不可能。。。

 

Pフリーの時間が切れ、ゲームを終了して喫煙所でアメスピを吸いながらやさぐれていた。

 

ん?

 

 

 

 

 

 

 

俺の左手首が光っている……?

 

 

 

 

 

 

 

 

これは、何を意味しているのだろうか。

1P手首皿である俺にとって、左手首は俺と共に果てしない皆伝坂を登り続けてきた究極の相棒だ。その左手首が眩いばかりに光輝を纏い、俺に何かを伝えようとしている。

 

 

「俺を信じろ。」

 

 

何となくそう言っているような気がした。

光は消えた。

 

 

お前を信じなかったことなど片時もないよ…そう呟こうとした瞬間の俺の脳内に、焼夷弾が降り注いだ。

 

 

 

 

 

まさに今、たった今、俺は相棒の左手首を信じていなかったじゃあないか。

 

 

 

 

 

――灼熱pt.2。

鍵盤の数も多いとはいえ、小指皿でなければ捌ききれないエグい皿が終始襲い続ける譜面だ。灼熱(無印)も小指皿だけでハードしたんだし、灼熱pt.2に手首皿で挑もうなど考えたこともなく、いつもより正面向きの体勢に切り替えて小指皿で挑んでは、ヤカンで体力が尽きて諦めていたばかりだった。

 

そうか。俺は、究極の思い違いをしていた。

皿の枚数が多すぎようが、24分皿が速すぎようが、俺は最初から、お前だけを信じるべきだったんだな。

 

 

行こうぜ。共に。

一緒に、アイツと闘って、死のうぜ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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灼熱pt.2、撃破。

 

 

 

 

 

 

 

は?

 

 

 

 

 

 

 

 

一瞬、何が起きたのか分からなかった。

ついさっきまで、ヤカン地帯で手も足も出ず死んでいたのに。

 

俺が絶望そのものとまで認識していた灼熱pt.2が、未難5にしてあっさり沈んだ瞬間だった。

 

俺は怖くなった。

意味不明な恐怖に包まれた。起こってはいけないことが起こってしまったのだと。

願いを叶えるには等価交換と云う。俺はこの『ありえない』灼熱pt.2の突然のハードクリアと引き換えに、一体何を失ったのか?身体の震えが止まらない。事実を報告するためにツイッターに文字を入力する指の震えが止まらない。まともな文字を入力できない。

 

残ったPフリーの11分は、当然まともにプレー続行できるはずもなく、穴冥を選ぶのに開幕の譜面を全く見ておらず、気づいたら絶対に捨てているはずのメイン1サブ5サブサブ2の変な譜面の加速地帯を叩いており、何も押せずに死んだ。脳の譜面認識機能がバグっており、Rampageの初見エクハすら簡単に落ちてしまった。

 

一旦車に戻り、2時間ほど睡眠をとったあとは精神が落ち着き、つい先程成し遂げてしまった奇跡を受け入れるだけの心の準備は整っていた。

 その間に見た夢の中では、ゲームセンターでPF30分を選択した直後に筐体の鍵盤がセガサターンのコントローラーみたいな変なボタンしかないことに気づき、放置している間にゲームセンターの中にバスが入ってきて、それに乗ったら異界の地に連れていかれるという悪夢を見てうなされていた。

 

 

 

 

倒したんだな。アレを…

 

 

未難5→4。

 

 

 

ふと視線を落とすと、左手首は暖かな橙色の、仄かで優しい光を纏っていた。

 

 

 

 

 

『Trust your own wrist.』 

 

誰かが遺した格言と思われる一文が書き記された紙の切れ端が、足元に落ちていた。

 まさに今日の出来事を示しているかのような格言だ。

今日から座右の銘にするとするか。

 

 

 

 

 

もう二度と裏切らないぜ。俺は、お前を――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

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左手首が光っていたのは嘘松で、Trust your own wrist.と書かれた紙切れが落ちていたのも嘘松です。でも灼熱pt.2をハードしたことは本当松です。このまま本当松であってくれ。

 

次こそは、穴冥――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

THE END.