趣味柄DTMを嗜む人間と知り合うことが音ゲーマーの次に多く、そういった人達の発言を長期にわたり見聞きしてきた。
そうして分かったのは、音楽家というのはどうもルール(楽典、禁則)や流行に異常なまでに厳しいらしく、それらを守りながら制作することが全てに勝る正義であり、そうでない音楽が商流に乗った瞬間にヘイトスピーチを始める人が何故かやたら多いということだった。
音ゲーマーも新曲が出たときのコメントは比較的厳しく糞だ糞だと声が上がることも多いが、期待外れ感や譜面のつまらなさが度を越していたりするときの総合的な印象としてマイナスであり、満足できなかったために叩いているケースが圧倒的に多い印象がある。
ここに「自らも楽曲制作を行う」ステータスが追加されるととりあえずコード進行、メロディライン等の音楽要素から減点を始めていくのだが、彼らの中にはトレンディじゃないとゼッテェ許せねえ系の人もかなりの割合で存在して、
「ちょwwwwwwwww2019年にもなってこの音使いは古すぎてあり得んでゴンスwwwwwwwwwwwwwWWwW」
みたいなことを言い始めて集団でケチョンケチョンに貶しているシーンには飽きるくらい遭遇した。
いや流行とかどうでもよくね?って思うがMAINSTREAM HARDCOREってもしかしてその辺の皮肉だったりすんのかな。
それはさておき、他の表現媒体でこれほどまでに規則を正義とする風潮のある界隈は今のところ音楽しか見たことがない。
例えばイラストの場合楽典に相当するルールというのはデッサンということになるのだろうが、多少崩していても見た目の雰囲気が良ければ商業であっても同業者から強烈にバッシングを受けているシーンはあまり見かけない。
もちろん画力が高すぎて美麗極まりない絵には素直にスゲェ…と圧倒されてしまうのだが、デッサンは微妙でもデフォルメを上手に入れていたり構図が新しかったり色使いが個性的だったりと、個人個人でルールに縛られない自由な表現をしても一定の評価は受けられる。
だが音楽にはそういったチャンスは皆無であるか、あってもかなり限定的っぽい。独創性が高いと思われる聴いたことないタイプの作品でも、禁則があればカス、メロディが外れればカス、音が古ければカスである。
まあ外れた要素があまりにも多すぎると素人感覚でも何か変じゃね?てなってしまうのは確かにそうなんだけど、DTM・ミュージシャンはカス閾値が低いというか、とにかくちょっとした欠点に過剰に厳しすぎると思う。こんなものを市場に流すなと怒りだす過激派も現れる始末で、見てるとカロリーが高すぎて正直しんどい。
ごく限られた一部の独創性はジャンルとして確立し流行することもあるようだが、それらの命はセミの如く儚く1年もすれば
「ちょwwwwwwwwwwwwwFUTUREBASSとか時代遅れ杉食傷麻呂wwwwwwwwwww」
とトレンディ系の方々のサンドバッグと化してしまうようである。
これまで100や200じゃきかないくらいのアマチュアの音楽家のツイートを長年見てきたが、過半数の人間はそういった傾向の発言を定期的に(もしくは常に)していたので、ナチュラルにそういう空気なんだろうと思う。
気づいたんだが、MAINSTREAM HARDCOREって自称する限り永遠に流行の最先端だし最強の音楽ジャンルなんじゃね?
自分も音楽制作をして作品を公開してきたが、界隈の器の狭さにとうとう嫌気が差してしまったので意図的に離れることにした。特に自分の作品を悪く言われたことがあるわけではないが、褒める場面よりも作品の粗を突いて貶す場面に圧倒的に多く遭遇する環境は、単純に居心地が悪いと感じる。
結論としては、音は古いと腐って虫が湧くのでこれからDTM始めようとしている奇特な人はKOMPLETE買う前にシベリアに土地と蔵を買うことを強く推奨する。