メュ!

メュ。

Pにまつわる本当松

※※※⚠これから話す内容は全て本当松です⚠※※※

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夏休み―――――

とはいっても1ヶ月、もしくは2〜3ヶ月にわたる学生の“それ”とは異なり、企業勤めのサラリーマンにとっては僅か9日間の““束の間の休息””である。

有給消化率も低く、日々のストレスに堪え忍びつつ滅多なことでは3日以上のまとまった休みを取ることができない…そんな我々にとって9日間という休暇は命より重いと云われる金でさえ換えることができない、極めて価値のある存在なのである。

 

 

 

 

 

 

そんな価値ある9日間の夏休み。俺は帰省しながらも暇を見つけてはタピオカショップに通い詰め、タピっていた。

 

銀色のタピオカで…………………

 

 

 

 

結果は27500円の負け。一時は投資83000円まで届きハーフ逆万枚が見えたものの、最上もがが天使化して無双する謎のパチンコや綱取物語、メガ餃子等の一発台でそれぞれオスイチを決めるなどして負債はかなり軽減することができた。パチスロは全然振るわなかったが、全体的にタピ活の調子が良く結果的にはタピタピであった。

もちろんタピ活をしなかった日もあり、夏季休暇の本来の意味合いである墓参りのほか、入院した祖母の見舞いに行ったり兄夫婦と今流行りの「天気の子」一番くじ目当てでのローソン巡りをしたりした。一応、最悪は免れたと言えるだろう。因みに天気の子は未視聴のため内容はほぼ知らない。

 

 

 

そして休みが明けた19日。休み前と何ら変わらない虚無に抱かれながらの業務を終えてすぐ、俺は再び銀のタピ活へと向かっていた。

 

 

銀のタピ活に縁がない人達にとってパチンコ中毒(いちゃたあ笑)という状態異常がどういうものなのかについては、概ね有名な「アイ・ラヴ・パチ〜〜〜〜ンコ」の一コマとそれに繋がる一連のページを連想するだろう(画像省略)。

 

四六時中パチンコの射幸心を煽る汚らしい爆音が脳内に響き渡り、眠りにつこうと目を瞑っても瞼の母裏には筐体から止めどなく流れ出す銀玉の濁流と無限に揃い続ける3つの7図柄が映写される、パチンコを忘れたくても忘れることができず発狂する…そんな恐るべきステータスであると。

 

だが、パチンコ中毒という状態において多くの場合、こういったステレオタイプな症状は見られないものである。

実際には気づいたらパチンコ台の前に座っておりハンドルを握っている。その日の業務中、パチンコのことなど完全に忘却の彼方にあったにもかかわらず。このように自覚症状がないままいつの間にか銀玉や臭いメダルと戯れているのが真のパチンコ中毒という状態なのである。

 

当然上記のような流れを経て、激しいトマト収穫(スーリノ)目的で行きつけのスロ専に着いてから新装準備の店休であることを知った俺は、その近くの某チェーンKに移動し、あまり激しくないトマト(赤リノ)を収穫することにした。

この店のトマトは奇しくも俺の最愛台であるクランキーセレブレーションの隣にある。島に入ると茨城ヤン坊がクラセレのボーナスを消化していた。

俺がトマトの正面に着座してから1分ほどで、クラセレから聞き慣れない音楽が大音量で響き渡る。ゲッターマウスである。

 

このヤン坊は俺があれだけクラセレを打ち続けて一度も成し得ていない赤7の1G連をまるで呼吸するかのように披露してくれやがったのである。動揺しつつも追いかけるようにトマトを収穫したが、これは腐っていたようでREG単発で終わってしまった。

横をチラ見しながら打っていると、ヤン坊は気持ち悪いオタクがキョロキョロ覗いてきていることに気付いてイラついたのか急に強打を始めて威嚇してきた。すぐにトマトを収穫し直すもヤン坊の圧に負けてそのままスルー。因縁をつけられるのが怖かったので回胴からは撤退することにした。その後もヤン坊のクラセレは絶好調でボーナス消化中の音楽を流しまくっていた。愛鳥がこんな奴に懐くなんて…

 

その後トチ狂ってP沼に移動。第一クルーンのクセが良いため粘った結果当たりを獲得するも、消化は死ぬほど遅いわ台扉の故障でエラーは出まくるわで非常にストレスフルな時間を過ごすことになった。運良くセット連荘したので9000発は堅いと思いきや流してみれば8400発。公表値は1セット4850発なのでつが……止め打ちをサボったことをひどく後悔した。

結果的に勝ちこそしたがトマトの不発、ヤンキークラセレの暴走、P沼の初見殺し仕様、低い換金率などが重なり気分は曇天そのものであった。コンビニで飯を買って帰ろ。

 

いつもなら帰り道にあるセブンイレブンに寄るのだが、このセブンイレブンのこの時間帯には必ず一挙手一投足がオーバーアクションで無駄に紳士的なプロ店員が常駐していて笑いを堪えるので必死なので、斜向かいのローソンに入った。

ここで入口すぐにある青色主体の爽やかなPOPが一面に貼り付けられた棚にふと目を遣ったことで、夏季休暇中に兄夫婦が探していたものの何処も完売で諦めていた天気の子一番くじのことを思い出した。終焉の地だからかまだ大量に残っているし、彼らが目当てとしていたグラスの存在も確認できた。

 

兄貴の嫁があれだけ欲しそうにしていたのだ。10000円ポッキリとはいえ勝利していたので(8月トータルではまだマイナス域だったが)、俺自身天気の子の内容は何も知らないもののグラスの獲得に挑戦することにした。

弁当と挑戦券2枚をやる気のなさそうな店員に渡し、店員の指示通りにクジを引くとグラスを1つ当てることに成功した。よかったよかった。

 

 

 

 

 

ん?

 

 

 

 

 

パチンコ中毒を罹患して焦土と化した俺の精神の中にも奇跡的に残っていたごく僅かの““正のカルマ””が脳波という形で俺に囁きかける。

 

 

 

夫婦なら2個必要だろ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すみません、もう2回お願いします。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

6回目で2個目のグラスを獲得し、引き換えのため陳列棚に向かい合ったところで脂汗が吹き出した。

 

 

グラスって1種類じゃねーのかよ!?

 

 

グラスを欲しがっていたことは知っていても、どの意匠のグラスが欲しいかまでは話を聞いていなかった。

 

やばい。どれだ…?

正解はどれ……

 

残っているグラスはネコがあしらわれた意匠とロゴがあしらわれた意匠の2種類が2個ずつの計4個。

頭をフル回転させる。1種類ずつ交換するか?同じものを2個交換するか?ペアルックが本命か?フルコンプ目的なのか?だったら持ってるのは何で1番欲しいのは何だ?

 

回答を出せず急いで兄貴に電話をかけるも出ない。これ以上店員を煩わせるわけには…

 

 

「これとこれにします」

 

 

ロゴがあしらわれただけのグラスをあそこまで欲しがる理由もないし、何より俺が気に入らなかったのでネコタイプ2つを交換して店を出た。これでよかったのか…?

良かれと思って買ったはいいものの、本心はいらないものを押し付けても互いに微妙な空気になる。これはパチンコを終えたばかりの俺が戦場を変えて再び挑んだギャンブルであった。

 

兄貴と連絡が取れた。事情を説明し、緊張の中意を決して切り込む。正解はどれだったのかと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ネコのやつ探してたんだよ。グラスは残ってても、これだけがどこにもなくて」

 

 

 

 

 

 

 

心から安堵した。

俺は最高のギャンブルに勝利した。帰省中発見に至らなかったくじが残っている店を意図せずして発見し、グラスが4種類あることを知らずに特攻し、その中にたまたま探していた意匠のものがちょうど2つ残っており、探していたデザインがどれなのか知らないまま““勘で””選択した結果が最善だったのだ。メガ餃子のオスイチやP沼の連荘なんかよりもずっと薄い確率で人を幸せにする最高のギャンブルに、俺は今間違いなく勝利した。

 

パチンコ店の出来事により曇天に包まれた俺の精神はみるみるうちに晴れていく。光陽が射し込む。虹がかかる。

先程の不快感は跡形もなく消え去っていた。

 

何度も言うが、俺は天気の子を観ていないから内容を知らない。でもそういや、ガルパン上映前に流れた予告編でこんなシーンが流れてたわ。

 

 

 

 

 

「天気の子、パチンコ……」

 

 

 

 

 

決して交わることのないはずだった2つの世界が、涙さえも忘れるほどの綺麗さを湛え、完璧にクロスリンクした瞬間であった。

 

そう。虹色は2つの世界で共通する象徴的な記号であり、かくも気高く、そしてかくも美しいのである。

 

 

 

 

 

 

 

その直後、晴れ間から一転してアホみたいなゲリラ豪雨に襲われた。

現実は社会同様、創作嘘松のようにはいかないのである。しかしながらこの話は正真正銘の本当松であることを再度強調し、締めとさせていただく。

それに何やら高木晋哉も高速でこちらに向かってきているようである。襲われる前に退散せねばなるまい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ナナナナ〜、ナナナナ〜、

 

天気の子、パチンコ♪♪

 

ナナナナ〜、ナナナナ〜、

 

77〜、77〜、

 

77…77…

 

777…

 

 

 

 

 

 

 

 

-メュ!- REIWA 4TH ARTICLE

“Truth in the Rainbow”

 

 

 

 

 

 

-Fin.-