メュ!

メュ。

射精人II(でんちゅ・ツヴァイ)

※この記事を読む前に射精人(でんちゅ)を先に読んでおくことを推奨します。

 

 

 

 

 

 

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HAPPY NEW YEAR 2020―――――――――――――

THEN THE HELL HAS COME.

 

永久と思われた年末年始の9連休も儚く、終焉の地の虚無工場で白目剥いて記憶を飛ばしながら勤務する日々が再び訪れた。

当然、津波が来ないはずもなく…

 

 

 

帰路の途中、俺は無意識のうちにスマルトプホーネを取り出し、オチンチンを入れられる風属性の店のまとめサイトに掲載された出勤情報を高速でスクロールしていた。日々のバンドリ活動で鍛え上げられた神速のサム・ムービングスキルは、この日初めてバンドリ活動以外の場所で遺憾なく発揮されることとなった。

 

前回オチンチンを入れられる風属性の店を訪問した際にクーパー靭帯の切れた三段腹のシャクレアゴが登場し、射精介助サービスの如き事務的な手コキで情けなくイカざるを得ずに袖を濡らした記憶はもう2年前のことながら未だに鮮明なままである。オチンチンを入れられる風属性の店の選択肢はいくつかあるが、当然この店は今日の選択肢から外れる。

出勤情報を色々と吟味した結果、この風俗街の中でもトップクラスの優良店と各地で噂の絶えないS店を初訪問することに決めたのであった。

 

 

さて、ここまでの短い文章の中でわざわざ「オチンチンを入れられる」と煩く連呼してきたのには理由がある。

一昨年の夏以降は「オチンチンを入れることができない」いわゆるデリヘルでのプレーのみに傾倒していた。幼少期に芽生えた飲尿欲求をオプションプレーで満たすためであり、ここ1年半ほどは格別の性技術と絶品の尿の味を併せ持つ完璧な嬢との逢瀬を重ねて心を満たしていたものの、ルールの都合上オチンチンを入れることだけはできなかったので愈々以て我慢の緖が切れたオチンチンが

 

「ボク、そろそろ膣の中に入りたいよお~。」

 

シナプス直伝導で俺に泣きを入れてきたのである。なお、このションベン嬢との邂逅にまつわるエピソードについてはいずれ公開するつもりだ。

 

 

 

話を戻そう。

2年間燻って飢えに餓えたオチンチンを入れるとなれば、これ以上ないほどの上玉のアゲマンと邂逅する必要がある。

トップクラスの優良店で犇めき合う上位ランカーの中でも「指名ランキング第3位」と肩書がついたN嬢、Gカップの出勤を確認。美人だ。

最早他の嬢に視線を遣る必要はない。迅速に電話を入れ、1時間後にプレーを取り付けることに成功した。

初めて風俗店(もう普通に書きます)に電話したときにあった緊張は一抹も感じなくなっていた。場数を踏んだ。強くなった。羞恥心などとうの昔に荒野に棄ててきた。

 

 

 

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風俗街に到着し、迷いなき足取りで予約を入れた店へ直行。代金を支払って待機室へと案内される。

煙草を吸っていると程なくして、渡された番号札に刻印された37番がコールされる。

 

ボーイ「こちらで嬢がお待ちです。どうぞ」

 

俺「ど」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

          ら

 

 さ

     ま

 

           で

 

 

                す

 

 

                    か?

 

 

 

 

 

 

 

 

俺「ど」

N嬢「?」

 

 

「あっ、、ども。」

「疲れてる?」

「い、いや、仕事初めだったから…」

 

 

時空が歪んだか、知覚を捻じ曲げられたに違いない。

俺はまた思い違いで、前回までの腐ったソープランドに足を踏み入れてしまったのだ。

だって今、今俺の目の前に現れたトップクラス優良店の指名ランカーことN嬢は、腐ったソープランドで出会ったクーパー靭帯の切れた三段腹のシャクレアゴそのものだったのだから。

 

 

 

 

 

 

BEAST MODE?

 

 

 

 

 

 

SPECIAL BEAST MODE?

 

 

 

 

 

 

 

そんな特化ゾーンはない。

最初から存在しない。

ああ、俺は安らかな眠りについていた。決して切れることのない輪廻(ウロボロス)の腹の中の揺り籠で―――――――――

 

 

 

 

 

「!?」

 

 

 

 

 

意識を取り戻すと既に浴室の中にいた。

そして時空が歪んだわけでも、知覚を捻じ曲げられたわけでもなく、噂の優良店に確実に足を踏み入れながらも、そのブランドイメージからは著しく乖離したヘドロの如き「アンノウン」が俺を接待しているという絶対不覆の“““REAL”””の前に為す術もなく平伏すほかなかった。異星人に拉致され、脳に異物を埋め込まれて現世に帰されるキャトルミューティレーションはきっとこんな感覚だろう。

 

同一人物というわけではないものの、体型も顔面もシャクレアゴの完全下位互換。顔写真は全くの赤の他人のものを使用しているのだろう、いくらフォトショップでも現実とここまでかけ離れた顔面に加工することはできない。

 

独り歩きした根も葉もない噂が作り上げた砂上の楼閣はあっけなく崩れた。終焉の地に、優良店など最初から存在していなかったのだ。

 

 

 

 

すぐにでも帰って資格の勉強でもしたかった。電話受付時にボーイがノーチェンジ・ノークレーム・ノーリターンと念を入れて押してきた時点で察すべきだった。声に出しこそしないものの、俺は意気消沈したオチンチンに向かってごめんよ、ごめんよ…と謝罪の言葉を頭の中で繰り返していた。

 

 

 

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服を脱がされ、スケベイスに座る。

 

オチンチンを石鹸で弄られて初めて勃たなかった。この時点で今日膣でイクことは不可能であることを悟りつつも、浴室に充満したこのどうしようもない空気を打破せねばと本来嬢のほうが客である俺に遣るべき気遣いを俺の方から差し伸べる。

 

 

「ソープ、久しぶりなんだょョ..,.。」

 

言葉尻が詰まる。キツい。助けてくれ。

 

 

「普段はデリなの?」

「変態飲尿プレーをするので、いつも同じ子に4万くらいで」

「えっ、ちょっと動揺してるんだけど…どんな子なの?どんな話してるの?店なら同じ価格で挿入できるのにー」

 

 

まるでこれからマットプレイで挿入させてやる自分のほうが技術的に圧倒的に優れているかのような物言いにかなりムッとしてさらに萎えた。

 

ションベン嬢のサービス技術は全てにおいて異次元だ。直接的な性技の巧さだけではない。俺という人間の機微を瞬時に悟り、変幻自在に最もエロい空気に運んでいく話術。完璧と言ってもよい。それを踏まえて、目の前のヘドロの実力が彼女の足元のダニの死骸にも満たないことを確信するにはもはや数回のトークの往復だけで十分すぎた。

 

 

潜望鏡(浴槽の水面にペニスを突き出してしゃぶってもらうこと)が始まったが、案の定全く気持ちよくない。舌先でダラダラと亀頭をチロチロしながらやる気なく唇を上下させるだけの完全無知識の小学生でもすぐできるであろう動きしかコイツはできない。

バキュームすらしない。やる気がない。「早くこの勤務を終わらせたい一心」を客である俺に容易に悟られる時点で、ド素人もいいところの糞のカスだ。

死んだ目でN嬢を睨みながら、全く気持ちよくないので嗚咽も漏れない。当然勃たない。

マットにローションを塗布するため腹ばいで全身をマットに擦りつけてクネクネしている肉塊を、大衆が見世物小屋の畸形児へ向けるのと何ら違わない視線でボーッと眺めていた。

 

 

マットにうつ伏せになり、ひたすら背中と膝の裏を舐められる。ひたすら。いつまで舐めてんだ?

飽きて幾星霜が過ぎた頃にようやく仰向けにされ、少し身体を擦り付けて玉を舐め、10%勃ち程度のフニャフニャのままのペニスに無理矢理コンドームを装着してくる。

 

 

「え?入れんの?入るの?これじゃ即折れるけど」

 

「…」

 

 

なんか喋れよ。

無理矢理マンコに俺の萎えきったペニスを挿れ、騎乗位の形でドタバタ暴れながら感じてもいないわざとらしい嗚咽を漏らし続けている。もうほんと無理…

 

 

 

「ああ、ダメだ…」

 

勿論、2秒で中折れして行為を継続できなくなる。なんで勃たないの?と言わんばかりのヘドロの怪訝な顔がまたムカつく。自分の技術力の低さを恥じろ。

 

「これは勃たねえわ~、いつもは普通に勃つんだけどな~」

 

このあたりから俺も苛立ちが抑えきれなくなり「お前呆れるほどヘタクソだよ」というのを間接的にグサグサとヘドロに刺すようになっていた。

 

 

 

ピピピピピピピピ… ピピピピピピピピ…

 

 

 

経過時間の目安となるアラームが鳴る。

 

 

「ごめん、あと5分で出してもらわないと困るっ」

 

「…じゃ、回転してもらえる?」

 

 

ヘドロのケツを眼前に持ってきて「心を消す」。

ひたすらアナルを舐めながらひたすら手マンする。これはヘドロじゃない、めちゃめちゃ可愛い女のアナルなのだと自己暗示をかけながら……

 

ヘドロをチラ見すると、血眼でチンコを握りつぶすくらいの勢いで手コキしていた。めちゃめちゃ脚に力を入れて、弱い刺激で無理矢理射精して全ての工程が終了した。

 

 

 

「名刺いる?」

「いらない」

 

 

 

もう何も信じない。店舗型には二度と足を運ばないと心に決めた。

雨が今日の記憶ごと全て洗い流してくれればいいと思ったが、生憎雨は降らなかった。

 

 

fin.